「お母さん、最近ちょっとおかしいのかな?」 「同じことを何回も聞いてくるけど、まだ大丈夫?」 「これって年のせい?それとも認知症?」
家族だからこそ、日常のふとした変化に気づくことがあります。しかし、「まだ様子見でいいかな」「病院に行くほどじゃないかも」と考えて、つい対応を後回しにしてしまうことも少なくありません。
けれど、早めに気づいて準備することが、将来の介護の負担をぐっと軽くします。今回は、将来のために知っておきたい「認知症の初期サイン」について解説します。
「認知症」と聞いて思い浮かぶ症状
「認知症」と聞くと、多くの方が次のような症状をイメージするのではないでしょうか。
- 同じ話を何度もくり返す
- 家族の名前が分からなくなる
- 事実と違うことを言う(「財布が盗まれた」など)
- 徘徊する
もちろんこれらも症状の一部ですが、実はここまで進む前に、もっと軽い「ささいな変化」がすでに始まっていることが多いのです。
こんな変化はありませんか? 初期サインチェックリスト

「年のせいかな?」で見過ごしてしまいがちな変化ですが、これらが続く場合は認知機能低下のサインである可能性があります。身近な方に次のような様子がないかチェックしてみましょう。
物忘れ・会話の変化
単なる「ど忘れ」とは少し違う変化が現れます。
- さっき聞いたことをすぐ忘れる
- 新しいことが覚えられない
- 同じ質問を何度もする
- 置き忘れやしまい忘れが増え、どこに置いたかわからずよく探し物をしている
- 言葉がすぐ出てこない、話の内容がよくわからない・かみ合わない
- 約束を忘れてしまう
生活習慣・家事の変化
今まで当たり前にできていたことが、少しずつ難しくなります。
- 料理の味付けが急に変わった
- 片付けができなくなった(苦手になった)
- 買い物で同じ物ばかり買ってくる
- お金の管理が難しくなった
性格・行動の変化
意欲の低下や感情のコントロールが難しくなることもサインの一つです。
- 急に怒りっぽくなった、些細なことで頑固になった
- 不安や心配が増えた
- 外出がおっくうになり、機会が極端に減った
- 趣味をやめてしまった
早く気づくことが「家族を守る」理由
認知症は「気づいたときにはもう遅い病気」ではありません。むしろ、早く気づくことこそがいちばんの予防につながります。
早期発見のメリット
早い段階で気づくことができれば、以下のような対策が可能になります。
- 進行をゆるやかにする治療が受けられる
- 生活の工夫で困りごとを減らせる
- 介護サービスの準備や、家族の心の準備ができる
その結果、ご本人もご家族も、穏やかな生活を長く保つことができるのです。逆に気づくのが遅れると、ある日突然介護が始まり、家族の負担が一気に大きくなってしまうリスクがあります。
「大げさかな?」と思わずに相談を

「病院に連れていくのは大げさかな……」と躊躇する必要はありません。医療や介護の現場では、実は「少し気になる段階」での相談がいちばん多いのです。
どこに相談すればいい?
まずは身近な専門家に気軽に相談してみましょう。
- かかりつけ医
- 地域包括支援センター
- ケアマネジャー
もし検査をして「何もなければ安心」ですし、それだけでも十分な意味があります。
まとめ
小さな違和感は、家族だからこそ気づける大切なサインです。
「まだ大丈夫」ではなく、「今のうちに少し準備しておこう」というその一歩が、これからの介護の負担を大きく減らしてくれます。
気になったら一人で抱え込まず、まずは相談してみてください。

