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介護タクシーとは!?一般タクシーとの違いを専門家が解説
介護タクシーを利用することで、外出がもっと気軽で身近な存在になります!
介護タクシーを実際に利用した患者様やご家族から、「こんな便利なタクシーがあるなんて、今まで知らなかった。もっと早くから利用したかった。」そんなご感想を頂くことがよくあります。
この記事では、静岡県熱海市で11年、介護タクシー事業を運営してきた立場から、介護タクシーについて、解説いたします。
介護タクシーとは
一般的に介護タクシーと呼ばれている事業は、法的に「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送限定)」と称します。
通称として、介護タクシー、福祉タクシー、ケアタクシー、介護福祉タクシーなどと呼ばれていますが、それぞれ明確な違いや定義はないようです。
その中で、介護タクシーとの呼び方が広く使われているようです。このコラムでは、介護タクシーとの呼び方で統一して解説していきます。
介護タクシーと一般タクシーの違い
介護タクシーの正式名称は、前述しましたが、それに対して一般タクシーの正式名称は「一般乗用旅客自動車運送事業」です。
つまり、一般タクシーに(福祉輸送限定)が付くと、いわゆる介護タクシーになります。
では、(福祉輸送限定)とは、どういう意味なのでしょうか?先ず、乗せられる利用者が限定されています。
- 障害者手帳の交付を受けている方と付添いの方
- 要介護認定を受けている方と付添いの方
- 要支援認定を受けている方と付添いの方
- 上記の認定は受けていないが、肢体不自由、内部障害、知的障害、精神障害などで、単独の移動が困難な方と付添いの方
- 患者等搬送事業者による搬送サービス提供を受ける患者と付添いの方
※患者等搬送事業については、別項目で解説します。
車両にスロープやリフトが付いた福祉車両が多い
車両については後方にスロープやリフトが付いているなど、車椅子のままでの乗車しやすい構造になっている福祉車両を用意している事業者が多いです。
また、助手席やセカンドシートが回転シートになっている車両で運行している事業者もあります。
介護タクシーは完全予約制が一般的
その他の違いとして、完全予約制となっているところです。
一般タクシーの様に、街中で手を挙げて乗車する、いわゆる流し営業は出来ませんし、駅・病院での客待ちという事も出来ません。当日の急な利用も可能ですが、その場合でも必ず予約が必要です。
予約の方法については、営業所への電話が一般的ですが、事業者によっては、ラインやメールなどで受け付けているところもあるようです。
まとめると、車への乗降や、車までの乗り降りの際に介助が必要で、一般タクシーでの移動が難しい方が、事前予約により利用するタクシーです。
リフトやスロープが備え付けられた福祉車両に、車椅子やストレッチャーのままで乗車可能な場合が多く、また多くの場合ドライバーが介護や看護の資格を持っている場合が多いです。
車への乗降の介助はもちろん、ご自宅内での介助、例えば寝たきりの方のお着替え、オムツ交換など外出の準備から始まり、ご自宅の中や外に階段や急坂がある場合など、車までの移動が難しいケースでの移動の介助も行ってくれる場合が多いです。
一般タクシーと救急車の中間的存在として考えて頂けるとわかりやすいかと思います。
介護タクシーはどうやって探せば良いの?
介護タクシーは、一般タクシーと救急車の中間的存在として、実に幅広い役割を担っています。その為、ストレッチャーで寝たままでの搬送を得意としている事業者から、車椅子でのお買い物や美容院など、身近な外出を得意としている事業者まで、得意分野が様々です。
ソーシャルワーカーやケアマネ、地域包括、役所の社会福祉課等で相談する
もし、身近に地元の介護タクシー事情に詳しい専門職がいれば、聞いてみるのが一番確実です。
例えば、入院中の患者様であれば病院のソーシャルワーカーにご相談するのが確実ですし、要支援や要介護認定を受けている方であれば、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると良いと思います。
また、役所の社会福祉課などに聞くのも良い方法です。インターネットで情報収集が可能な場合は、こちらのサイトを参考にするとわかりやすいかと思います。
どのような時に利用出来るの?
介護タクシーを利用するにあたって、利用目的などは制限がありません。
一般的には病院への通院や、入院、退院など病院関連の利用が多いです。
それ以外にも、お買い物や美容院に行きたい、外食に行きたい、駅からホテルなどの宿泊先に移動したい、旅行に行きたい、冠婚葬祭に参列するなど、利用目的は様々です。
介護タクシーには営業区域があることに注意
ただ、一つ注意が必要なのは、介護タクシーには営業区域があるという点です。
その事業者の営業所がある都道府県全域が、営業区域として指定されている事がほとんどです。(営業所が都道府県境の市町村にある場合、特例で隣接市町村まで営業区域拡大認可を受けている場合もあります。)
営業区域の考え方は、乗る場所または降りる場所のどちらかが、営業区域内であれば良いとされています。
例えば、静岡県内に営業所がある事業者の場合、静岡県内から乗車して、名古屋や東京まで行くことも可能です。逆に、名古屋や東京から乗車して静岡県にいくことも可能です。
費用はどれくらいかかるの?
介護タクシーでかかる費用の合計は、①運賃+②介助料金+③機材使用料の合計となる場合が多いです。
運賃について
運賃については、所轄の運輸局から認可を受けた運賃と定められています。
その地域での一般タクシーの運賃と同程度と考えて良いかと思います。
ただ、ストレッチャーで寝たままでの乗車となると、大型車になるケースが多いです。その場合は大型車の運賃になりますので、一般タクシー普通車の運賃より割高になります。
介助料金が掛かることも
介助料金については、各事業者が必要な介助の種類や量に応じて任意で設定しています。例えば、エレベーターの無いご自宅の2階で動けない方を1階に降ろす介助が必要とか、お着替えやオムツ交換などから介助が必要な場合など、ドライバーは介護の資格を持っている事が多いので、外出に必要な様々な介助を行ってくれる事業者もあります。
最近では看護師や救急救命士の資格を持ったドライバーが在籍している事業者も増えていて、移動の際に痰の吸引や医療用酸素投与などの医療行為が必要な場合にも、対応可能な事業者もあります。
その場合は、看護師付添いの費用などが別にかかる場合が多いです。外出の際に、どんなところが困っていて、どの部分をサポートして欲しいのか、お問合せやご予約の際に相談して、概算金額を聞くことをお勧めします。
機材使用料が掛かることも
機材使用料については、利用者が車椅子を持っていない場合や、普通の車椅子に座るのが難しい場合など、リクライニング車椅子やストレッチャーなど、必要な資機材を借りた上で乗車する事が出来ますが、その使用料が別途かかる場合が多いです。
車椅子などの他にも、吸引器や医療用酸素ボンベなどを用意可能な事業者もあります。その使用料も別途かかりますので、やはりお問合せやご予約の際に概算金額を聞く事をお勧めします。
静岡県熱海市伊豆山342-3
電話:0557-88-6010
静岡県熱海市においては、唯一の介護保険適用(訪問介護事業所)であり、熱海市消防本部認定第1号患者等搬送事業者。介護福祉士ドライバー1名と看護師ドライバー1名が常勤で在籍、非常勤で看護師が2名在籍している。地形的に坂と階段が多く、高齢化率が5割に迫る熱海市において、地域住民の定期的な通院、入退院や転院など、医療機関への送迎はもちろん、観光地熱海の特色を生かしたユニバーサルツーリズムにも力を入れており、年間約3,000件の搬送を行っている。